ある日突然のこと。
我が家の息子(弟)が血小板減少性紫斑病という病気になりました。
元気で健康に育ってくれていると思っていても、
本当にいつなにが起きるかわかりません。
この病気については知識が全くなく、もしかしたらもっともっと悪化するまで気づかず見逃していた可能性もあるので・・。
こんな病気もある、というのを知ってもらえたらと思い記事にしました。
みんながみんな同じような経過を辿るわけではありませんが、少しでも参考になれば幸いです。
子どもの心当たりのないアザ、赤紫の点状の跡に注意!!何かが変と気づいたきっかけ。
ある日、保育園で頭を床にゴチンとしてしまったようで・・おでこに小さな赤いアザができた弟くん。
先生にその報告を受け、弟くんのアザを確認。そのあと、帰る準備を整え「さぁ帰るよー」と弟くんに声をかけたところ、さきほど確認した赤いアザとは左右逆の方向に、青くふっくらしたアザを発見。
「え??その青たんどうしたの?さっきなかったよね?」
と、びっくり。
先生にも確認したところ、先生もさっきまでなかったのにどうしたんだろう・・!!とびっくり。
なかなか目立つ大きさのアザだったので、ぶつけたら泣いてもおかしくないのに、、痛くなかったのかな?と、疑問は残りましたが、まぁどこかにぶつけたんだろうな。と考え、おうちに帰宅しました。
そして、翌日の朝。
おでこの別部分に新たにアザを発見しました。
でも弟くんは、かなりやんちゃでケガも多いため、この時も「遊んでいるときにぶつけたのかなぁ」と思うにとどまりました。
しかし、その日の夜。
アザとは違う変化を感じました。
お風呂に入った時に、弟くんの背中に点状の赤紫色のポツポツがでているのを見つけたのです。(後にこれが“点状出血”という症状だということがわかります。)
発疹のように熱をもって膨れたり、蕁麻疹のように赤みが広がっている・・・という感じではなく
腕の内側などを圧迫したときに赤紫のポツポツとした跡できるような、そんな状態です。
また、太ももの後ろ、ひざの後ろも同じように赤紫のポツポツが発生していました。
なにかの感染症ででている発疹ではなさそうだけど、おかしい。
と嫌な予感。
そして次の日の朝には、下唇の内側も紫色の変化していたのです。
本人は、熱がでたり、具合悪そうといった様子は一切なく、いつも通り元気だったので、深刻な状態だとは思いもしませんでしたが、取り急ぎ小児科を受診しました。
小児科を受診。血液検査で「血液の異常」が明らかになった。
先生に診せたところ、赤紫のポツポツは点状出血といって内部で出血している跡だということが判明しました。
「血小板が少なくなる紫斑病の恐れがある」と、先生はすぐに気づき、すぐに血液検査をしました。
血液検査の結果は、幼児の血小板の標準範囲が18~30万/μL に対し、弟くんは血小板が3万/μLと極端に少ないことが判明しました。
やはりアザも点状出血も、血を止める働きをする血小板が減少しているために起きている症状だそうです。
血液専門の先生がいる大きな病院で細かく検査をする必要がある、とのことで紹介状を頂きました。
まさか、そこまで深刻なことになっているとは思いもよらず・・。
びっくりしたしとても落ち込みました。
3万/μLという血小板の値だと、入院治療が必要になるかもしれないから、念のため入院の準備もしていってください、と先生から伝えられました。
大きな病院へ。弟くん、再び悪夢の血液検査
2日連続での血液検査。
もう、いやでいやで弟くん号泣(涙)
かわいそうだけど、仕方ない。なんとか頑張ってもらいました。
そして結果を待つこと30分。
前日に3万/μLだった血小板がさらにがくんと下がり1万/μLになってしまいました。
たった1日でこんなに減ってしまうとは・・。
もしかしたら血小板が回復しているんじゃ、という思いもあったのでここでもかなりがっくりときました。
この1万/μLという血小板の値は極めて少なく、減るスピードもとても早い。
脳内出血が起きて命にかかわる危険があるとのことで、そのまま入院することが決まりました。
また、この時点で膝と足首にもアザができ、頬の内側(口の中)も赤黒い血豆がでていました。(口の中にできる場合は、血小板がかなり極端に減ってきている症状のようです。)
診断名「血小板減少性紫斑病」。指定難病!?その症状について
弟くんの病名は「血小板減少性紫斑病」だと告げられました。
血小板減少性紫斑病・・・聞きなれない病名です。
実際に先生に聞いたこと・他サイトを参考にまとめてみました。
血小板の数が減少する病気をいい、難病に指定されています。
原因は不明ですが、自分の体内の血小板を外敵とみなして攻撃し、その結果血小板数が減少してしう自己免疫性の疾患です。
血小板は、出血した際に血を止める働きをしていますが、その数が減少することにより、出血症状がみられるようになります。
子どもの場合:
2~5歳の子どもに発症しやすく、その場合の8割~は特発性のタイプで半年以内には自然に治癒する場合が多いといわれています。
特発性のタイプでは、風邪などのウィルス感染後や予防接種をきっかけとして発症することがあります。
まれに慢性タイプの場合もあり、長期にわたって経過観察・治療を有する場合もあります。
症状:
血小板数が5万/μL以下で出血症状が現れる
“ 1~2万/μL以下で口腔内出血、鼻出血、下血、血尿、頭蓋内出血などの重篤な出血症状現れる
- 軽くぶつけただけでアザができた
- 鼻血がなかなか止まらない・よくでる
- 血尿がでる
- 歯肉出血がでる
- 皮膚に赤紫の点状出血が起きる
- 口の中に血豆ができた(極端に血小板数が減少している可能性大)
※熱が出る・元気がない、といった症状はほぼなく、いつも通り元気な場合が多いので注が必要です。
上記参考サイト:meddicalnote、難病情報センター
指定難病と言われると、かなり不安になってしまいます・・。
でも、子どもが発症する場合の多くは、特発性で自然に治癒する場合がほとんどです、という説明は先生からもお話を頂きました。
小さな子どもの場合は特に、頭をぶつけたり転んだりといったケガをしやすいので注意が必要だそうです。
万が一、頭を打って脳内出血を起こしてしまったり、または減少していることに気づかないままで、脳内出血・内臓出血などが起きてしまっては、命の危険につながります。
弟くんは、1万/μLと極めて少ない値だったので、上記のリスクを回避するうえでも、
- いち早く血小板数を増やす必要があること。
- 行動を制限して、ケガがないようにい安静に保つため
入院が必要との判断でした。
入院中の治療方法は?治療による血小板の経過について
ガンマグロブリン大量療法 という治療を行うことになりました。
体内の血小板を攻撃している抗体の力を弱める薬で、点滴で投薬します。
この点滴で血小板数の増加がみられれば、効果があるとして3~5日間点滴を行うという投薬計画がされました。
この療法に効果がみられない場合は、ステロイドの服用による治療が必要だといわれました。
正直、大量のステロイドを長期で服用するのはできる限り避けたかったので、ガンマグロブリン療法が効いてホッとています。(まだ経過をみている段階なので、また血小板の減少がみられればどうなるかはわかりませんが。涙)
また、ガンマグロブリン療法の効果が弱い場合、骨髄検査をして白血病など別の病気が血小板減少の原因となっていないかを調べる必要があるともいわれていました。
(骨髄検査は、麻酔するとはいえ小さな子どもにとって大きな負担にもなるだろうし、ましてもっと大きな病気だったら・・と思うと、きちんと薬が効いているのか、心配で不安で仕方ありませんでした・・。)
ガンマグロブリン療法による経過
点滴を開始して翌日、点状出血が薄くなっているのが目に見えてわかりました。
薬が効いている証拠だね、と看護師さんにも言われほっと一安心。
投薬が聞いてくれてよかった・・と心から安心しました。
1~2日目は副作用がでないかを確認しながらゆっくりと点滴を進めるので6時間ほど時間がかかりましたが、その後はスピードアップして3時間ほどで点滴を終えることができました。
点滴を開始後は副作用もなく大丈夫だと思っていましたが、3日目の夜中に突然の高熱(39度)と嘔吐(4回くらい)をしてしまいました。
副作用によるものだそうです。
このまま点滴を再開できるのか!?不安になりましたが、途中経過の検査で順調に血小板が回復して15万/μLにまで戻ったので、一旦点滴の治療は終了することになりました。
そして、1日様子をみてから退院が決定。
その後は通院で、血液検査を行い血小板数を確認していくことになりました。
5日間の入院生活。
入院当初は、1週間から2週間の入院になるといわれていたので、思ったよりも短い期間で終えることができました。
弟くんの入院中は、私は泊まり込みで付きっ切りです。
兄さんは、ママも弟くんもいなくてとっても寂しがっていたので、早めに退院ができてよかったです。
通院による定期的な経過観察の日々
退院の1週間後に再び血液検査にやってきました。
その後は2週間おきくらいで通院しています。
そのたびに血液検査が必要なので、弟くん毎回泣きながらも頑張っています。
退院後は20万/μLと標準範囲内に到達して、先生にも回復が順調ですね!と太鼓判を押されてたのですが・・。
その後の検査ではまた15万/μLと減ってしまいました。
ただ、風邪などの体調の変化でもその程度ならば下がる場合もあるので、なんとも言えない状況ですが、まだまだ経過観察は必要な状況です。
子どもの体をよーく観察する習慣って本当に大切
そう、今回の病気があって改めて思いました。
兄さんがアトピー持ちだったこともあり、普段からお風呂で子どもの体を観察してはいましたが、現在は口の中も観察しています。
またいつ血小板が下がるかわからない状況なので、油断できません。
体調に変化がないので一見わかりづらいですが、血小板が減った場合は体にアザ・点状出血などで症状が現れるので、観察さえいれば早めに見つけられるはず。
突然の病気の発症・入院となり、本人はもちろん、家族みんな精神的にこたえましたが、
またひとつ大きな経験となりました。
「もう病院に通わなくて大丈夫だよ」と早く先生に言ってもらえることを願って。
もう少し検査は続くけど、注射がんばろうね。
弟くんよ、たくましくあれー!
以上、血小板減少性紫斑病の体験記でした。 また、その後の経過について追加していきたいと思います。
こちらに入院の持ち物リストをまとめています。
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